【全館】法学部 佐々木光明先生より図書を寄贈いただきました

投稿日時: 2021/07/21 図書館管理者


図書紹介

 

書   名 『18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか』

著   者 片山 徒有 (編集代表)佐々木 光明 法学部教授

発 行 所  現代人文社,

発行年月日 2021515日(223ページ)

 

紹 介 文

少年法は日本国憲法の制定のもと、児童福祉法、教育基本法とともに制定されました。戦後の新たな日本社会が子どもの生存、成長そして教育の機会の確保を誓うとともに、そこからこぼれる非行少年にも立ち直りの機会を司法制度として示したのです。基本的に、失敗したとしても「やり直せる」という法の理念は、ひいては問題を抱えた様々な人々が少しでも生きやすい社会につながるものと考えます。

しかしその少年法は、2000年の第1次改正から厳罰化の改正を繰り返し、20215月に第5次の改正案が国会で成立しました。

1819歳を「特定少年」として、罪を犯した1819歳を原則検察官送致する(成人の裁判へ)犯罪の拡大や、起訴されれば実名報道を可能とすることが盛り込まれました。将来の仕事や資格取得制限も成人同様にかされることになります。いっそうの厳罰化の進行です。

なお、飲酒・喫煙等20歳のままの法規制があるように、民法の成年年齢に法律制度を合わせる必要はありません。

本書は非行少年の実情をよく知る、元家裁の裁判官、元家裁調査官、元少年院長、弁護士らが家庭裁判所の実務を振り返りつつ、改正法の問題を徹底して検討します。また、元非行少年だった人々が、少年法と自分のその後について関わらせながら立ち直りのきっかけなど紹介しています。

少年法を知り、その理念と教育的機能を後退させないための方策を、ともに考える素材にして頂けたらと思います。